2015年03月13日

ほんのささいなことが 〜土佐しらぎくの酒造り2〜 by 田中

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蔵には5台の洗濯機が使われている。
ぞうきん用に1台、洗米道具用に1台、醸造道具用に3台。
たわしやスポンジなど手で洗う道具も細かく用途別に整然とわけられ、
使いこなされている。
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2015年03月11日

匂い 〜土佐しらぎくの酒造り1〜 by 田中

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高知は安芸郡の土佐しらぎくの蔵を訪ねた。
2月後半の早朝5時半、冷たい空気がぴーんとはりつめたなか、
湿気とともに漂ってくるのは米の蒸される匂い。
このもくもくと白い蒸気の立ち上る姿こそ蔵のはじまりの風景だと思い込んでいたが違った。
仙頭杜氏の朝はそれより数時間前からはじまっている。
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2001年02月21日

もうひとつの風景 by 田中【麹魂 20150221】

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ワインセラーの片隅にいる自然派ワインの代表的な造り手フィリップパカレ
文章とは全く関係ありません…


麹米を両手で混ぜている姿、櫂棒(かいぼう)を悠々と上下に動かし樽の中のもろみを混ぜている姿…ほとんどの人が“酒造り”と聞いて思い浮かべるのはこのような絵だろう。

この米や麹や仕込み水を触ることが表の仕事だとすると、それを支える裏の仕事に掃除と洗濯がある。

どの蔵にも大体大きなボイラーがある。朝一番に来た蔵の人はまずその大きなボイラーのスイッチを入れる。そこで沸かされるお湯はお酒の火入れ処理に使われることはもちろんだけれど、道具を洗うことにもかなりの量が使われる。櫂棒を洗う、米を洗ったたらいを洗う、米を広げた布を洗う、酒を搾った袋を洗う。その洗った後ひとつひとつを丁寧に熱湯消毒をしていくのだ。それから、蒸し米を一定温度まで下げるために広げたとき落ちた米粒を掃く、麹米を室(むろ)と呼ばれるあたたかい部屋に入れて作業したあとの床を掃く。掃く掃く掃く…。作業をする前、した後にもれなくついてくる掃除洗濯。「ほとんど掃除屋さんか洗濯屋さんやんかー!」と心で叫んだのは初めて蔵体験をさせてもらった10年前のこと。

それ以来、ボイラーのシュンシュン沸く音と蔵の屋上で洗濯物を干しながら見えた遠くの山の景色が、私が思う酒造りの一場面になった。そして、日本酒の凛とした佇まいの向こうに、あのいちいちしつこいほどに実行される洗う・掃くという作業が清々しい気持ちで思い出されるのだった。

* 櫂棒(かいぼう)…酒母やもろみを撹拌する木製の道具
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2001年02月14日

お酒を造りに帰らなきゃ! by 田中 【麹魂2015.2.14】

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夕日に染まる三筑小学校と店の前の田んぼ。内容とは全く関係ないのですが。

「今日は皆たくさんワインを飲んだからワインが足りなくなっちゃうよ。
ワインを造りに帰らなきゃ!」

今週開催されたワインの飲み歩きイベントの打ち上げで、イタリアから来た造り手が云った。

日本酒を好きになったのは10年ほど前(この頃は酒屋ではなく編集の仕事をしていました)。
当時は焼酎ブームで日本酒を飲む若者がいないと日本酒蔵の人が嘆いていたのがうそのように、今や日本酒は引く手あまたの熱い存在。

「日本酒が足りないよ! お酒を造りに帰らなきゃ」って時代になった。

おいしく飲んでもらいたい、たのしく飲んでもらいたいという思いで積み重ねてきたものが10年をかけて飲んでいる私たちの心とからだを動かし、おいしい料理があれば日本酒が飲みたいな、と手が伸びるようになった。(今度は焼酎の蔵に課題が与えられている昨今ですが…)。

日本酒造りは人的な大変さはもちろんのこと、設備に驚くほどの費用がかかる。
搾る機械を変える、より清潔にするため壁や床をきれいに張り替える、冷蔵設備を整える…どれか一つだけでも思い切った投資になる。飲み手には関係のないことだけれど、お酒を届ける側にいる私たちはその造り中の苦労や投資という形で現れる蔵元の“覚悟”を知って、さらに背筋が伸びる。だから、銘柄ブランド志向ではなく、蔵の大小に関わらずそれぞれの蔵柄を大切においしいお酒を造れば飲み手が素直に反応して手応えを感じることができる今が、とてもうれしい。

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2001年02月06日

酒スペック王子 by 田中 【麹魂 2015.2.6】

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日本酒セラーで麹魂のためのネタを探していると、
「春霞おいしいですよ。蔵付き酵母を培養して『亀山酵母』ってのができて、
それで造ったお酒、きっと福岡のお酒が好きな人は好きじゃないかなー」と独り言のような声。

声の方に振り返るとそこには永島さん
どちらかというと春霞はカタイお酒のイメージだったけれど、
この亀山酵母で醸したお酒は爽やかな香りでフルーティで、米の味がやわらかい、と教えてくれた。
さすが永島さん、静かにお酒を定点観測。
永島さんはずっと酒販業界で働いてきた生粋の酒屋マン。
口数は多くないけれど、少し話すとお酒への情熱が静かに燃えているのがわかる。

知らない酒米の名前が出てくると、だいたい永島さんに聞いてみるといい。
「その米の父親は◎◎で母親は▽▽ですよ」という具合に即座に答えが返ってくる。
麹や米など、酒の設計の細かい部分、
細かければ細かいほど永島さんの知識ストックは掘りがいがある。
ひょろっと細身で身長も高いから“酒スペック王子”とこっそり名付けた。

*永島さん…とどろき酒店であべ店長の次に古いスタッフ。蠍座B型左利き
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2001年01月29日

からだがほっとするお酒 by 田中 【麹魂 2015.1.29】

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「なぜか飲むとからだが楽だって気づいたのよね」

先日お会いした日本酒ライターの藤田千恵子さんが、生酛(きもと)造りの日本酒について話すなかでぽろっと云われたそのひと言で、自然派ワインとぴぴっとつながった! 自然派ワインを飲んだ翌日は楽だよー、とはよく聞く話。その年にその土地でできたぶどうと実直に向き合い、自然の微生物や菌の動きを尊重し、できるだけ人為的関与をしないワイン、と生酛造りの日本酒に共通点がチラリと見えた。

ある日、特に疲れている夜に好んで飲むものがいつも同じ造り手さんのお酒(ワイン)だということに気づいた。からだがほっとしたい、解きほぐされたい、と無意識に選んでいるお酒は、どこか肩の力が抜けているような、飲みながら深呼吸をしているような気分になるお酒。藤田さんも、最初は「楽だから」と意識して生酛造りを選んでいたわけではない、のではないだろうか。理屈や銘柄や造りのうんちくなしで、頭ではなくからだがお酒を選ぶ。きょうはどんなお酒に手が伸びるか。まずはからだに聞いてみよう。


*生酛造りとは… 昔ながらの日本酒の製造法。日本酒の仕込みの最初の段階「酛(もと)」を造る際、酒造りに必要のない雑菌などの繁殖を防ぐために樽のなかを酸性に保つ必要があります。そこにあらかじめ準備しておいた乳酸を添加して造る方法を速醸系(そくじょう)、もともとその蔵や空気中にいる天然の乳酸を取り込んで造る方法を生酛系といいます。生酛系の方が、時間も手間もかかります。



posted by スタッフ at 18:32| 福岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 酒屋こぼれ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする